今週は母の入院やらなんやらで体力的にも精神的にも削られた週だった。こういう時には釣りでストレスを発散したい。前回、7月に梅野川に出かけた時には、台風の影響で杖立で川が氾濫した後で、梅野川も増水して渓相も大きく変わっていた。あれから1か月以上経過し、その間に熊本地震も起きた。ほとんど雨も降っていないので栃野の水位計は平水から30cmも減水している。様子を見に行くことにした。
前回は下流部に入ったので、今日は上流部に入ると決めていた。幸いにも先行者の車は無い。到着時の気温は24℃、8時に入渓。入渓して直ぐの場所は平瀬が続くので、それほど変化は見られないが、いつものプールが小さくなっている。減水のせいか。
平瀬でヤマメが付いていそうな長めの流れにフライを落とすと、狙い通りヤマメが出た!6寸以上はある引き。しかし、水面でバタバタと暴れたと思ったらフックアウト。残念。しかし入渓してすぐのHIT、幸先良いぞ、と思ったのもさにあらず、この後はさっぱりヤマメの反応は無くなった。平瀬の先のいつも魚影が見える深いプールは流れ込みの主流が変わり、浅くなっている。魚影は全く見えない。

減水している上に水がクリアなので、プールの底まで見えるが、ほとんど魚影は見えない。暑いので水通しの良い白泡の下や岩陰に潜んでいるのだろうか、それとも大雨で流されたり不届き者に抜かれたのか。
水温は19℃。それよりもとにかく暑い。凍らせて腰に下げていたペットボトルの麦茶は、1時間も経たずすっかり溶けてしまった。麦茶を飲み、塩タブレットを口に含み、時折帽子を水に浸して川の水で頭を冷やす。それでも朦朧としてくるのを自覚する。減水していてフライを落とせる流れ、ポイントも少なくなり、いつもよりも早く釣り上がり、11時半に退渓。
釣果は、いつも反応がある流れから、やっと一尾、それもこんなチビヤマメ。チビでもボウズは回避できた。有り難う!
熊本地震の影響?倒木に行く手を阻まれた
しかし、ここからが大変だった。帽子を十分水に浸して、退渓準備。頭を冷やしてから、草ぼうぼうになってほとんど見えなくなってしまっている退経路を探す。なんとか道路まで辿りついたものの、息が上がる。体温も上がっているのか。麦茶を飲み、塩タブレットを口に入れて坂道を登り始めるも、足が重い。10m歩いては立ち止まり、という感じ。早く流星号に辿りついて、冷たい麦茶を飲みたいのに足が進まない。
と目の前に新たな問題。倒木が道を塞いでいる。10年前は大きな落石が道を塞いでいたが、今度は木だ。落石なら人間は避けて通れるけど、枝が茂った木だと簡単には通れない。斜面を登って(あるいは下って)回り込むか?しかし急すぎて難しい。近づいてよく観察すると、右の斜面との間に、真っ直ぐでは無理だが枝の間を通り抜けられそうな隙間がある。ここを通るしか方法はなさそう、ということで恐る恐る枝の間に体を滑り込ませ、なんとか無事脱出できた。
しかし、先はまだ遠い。途中、日陰で座り込み麦茶を飲んで休憩しながらやっと上まで登り着き、あとは一気に(といっても歩みはゆっくり)流星号まで歩を進めた。
流星号に辿りつき、クーラーボックスから取り出した氷のビニール袋を首に当て、麦茶を一気に飲み込むと、体の中が冷えてくるような感覚で少し生き返った。一歩間違えば戻る途中で倒れていた可能性もあった。こんな状態で午後に釣りを続けるのは危険。とにかくタックルとフライベストを積み、日陰がある栗の木脇のスロープ前の駐車スペースへ移動。
そこには久留米ナンバーの釣り人のジムニーが駐まっていた。その後方に駐め、シューズ・ウェーダーを脱ぎ、体を解放。全身の服が汗でびっしょり濡れていた。
タックルを全部収納し、荷室の端(バンパーの上)に腰掛けておにぎりを口にしたとき、上から釣り人が歩いてくるのが見えた。ジムニーの釣り人だろう。
久しぶりの情報交換
おにぎりをゆっくり食べていると、後ろ(車の位置は流星号が後ろだけど、おにぎりを食べている僕の向きからは)からさっきのflyfisherが戻ってきて声をかけられた。なんだかジャーナリストから大学の教員に転身した友人に似た風貌と声で、親近感を感じる。下流部の状態、上流部の状況などの情報を交換していたら、「ブログ書いてますよね?」と。このブログで梅野川の情報を確認しながら足を運んでいると。しかも、何度かコメントもいただいていたそうな。有り難うございます。それなのに僕は、軽い熱中症のせいか、声がかすれて上手く話せず聞き苦しかったと思います。
そういう話をしていると、かつての梅野川の事を思い出していた。Uさんが漁協にいて中間育成場が稼働していた頃は魚影が濃く、尺ヤマメもたくさんいてサイトの釣りも楽しめた。釣り人も多く、一つのプールに数人が竿を出すような時もあった。週末には朝から少なくとも10人は入渓していただろうし、イブニング狙いで夕方入渓する釣り人も多かった。梅雨が明けるとシビアになり、魚影は見えていてもなかなか釣れない。退渓して釣り人に遭遇すると「釣れましたか?」「いやー。見えてるんですけどねえ」という会話を交わすのも楽しかった。
梅野川で声を交わすflyfisherは、古湯や他の川でもよく顔を合わせていた。しかし古湯にも行かなくなり、梅野川もこんな感じですっかり顔を合わせなくなってしまった。そもそもお互い名乗りもしないし、連絡先も知らない。渓流で釣りを楽しみ、渓を共有する紳士の交流といった感じがあった。銀座のバーで顔なじみのお客さん(いつもカウンターで顔を合わせるけれどお互い名前も知らないし職業も知らない、でも、たまに言葉を交わす)と同じような関係性を感じていた。
しかし、この数年は魚影もほとんど無く、釣り人と遭遇することも無くなった。たまに遭遇するのは早朝出撃のルアーマンくらいだった。
久しぶりにflyfisherと会話ができて楽しかった。彼は別な川へ移動して釣りを続けたのだろうか。僕は命あってのものだねと、挨拶をして帰路についた。
足がつってクラッチが踏めない!これも熱中症なのか?
退渓後、十分に休憩し食事もし塩分・水分も補給したつもりだった。川で釣りをしている間は、苔で滑ったり斜めの石に足を取られたりして転ぶことも多い(今年の春はよく転んだ)。もう若くはない。不安定な足元に、川に立っている間は常に緊張しながら足(特に足の裏の感触に反応して膝から下の筋肉)に力が入っている。これまでも、運転して帰る途中にスネの筋肉がつることはあったが、運転に支障を来すようなことは希だった。しかし今日は違っていた。
スネの筋肉に突っ張るような感触は覚えていたけれど、特に運転に影響が出るほどでは無かった。ところが、2時間ほど運転したところで突然左足が突っ張り、クラッチが踏めなくなった。流星号はマニュアルなのだ。クラッチが踏めなければシフトチェンジもできない。エンストを覚悟でブレーキを踏むしか無い。しかし、片側1車線の道でいきなり止まれば後続車を事故に巻き込みかねない。とすぐ先の横断歩道に退避できる切れ目を見つけたので、急遽ウィンカーを出して左に入り停車。つった左足で無理矢理にクラッチを踏みながらだったので、クラッチが切れるタイミングが遅れて最後はガクガクと車体が震えながらようやく停止できた。
車は止まっても足はつったまま。暫く運転席で足を伸ばしたり曲げたりしておちついたところで、やっと車外へ。それでもまだ直ぐにつりそうな状態。思いかえせば、川から上がったときに、全身びしょ濡れだった。それだけ水分やミネラルは体外に放出されていたのに、それに対して十分な補充ができていなかったのだろう。そういえば、入渓以降水分を取っているのに尿意を全く感じていない。
麦茶と塩タブレットをさらに口にし、暫く(5分ほどだったか)屈伸運動を続け、ようやく感触が普通に戻り再び帰路に付いた。
熱中症、甘く見ず、本当に気をつけましょう。
熱中症警戒アラートが出ているときには家で静かにしているのが吉です(でも釣りには出たいんだよなあ)。