今年の締めくくりは、1年ぶりの「うらたんざわ渓流釣場」。命を繋ぐ営みを間近に
禁漁期を迎えると、関東の自然渓流を使った管理釣り場に足を運ぶのが楽しみ。しかし今年は週末の出張が続き、ずっとおあずけをくらっていた。
やっと週末に時間が取れたので出かけることにしたものの、さて何処へ行くか?上野村は遠いしハコスチを相手できるタックルを持ちあわせていない。紅葉も見頃の養沢かうらたんざわで迷ったが、まだドライで楽しめそうなうらたんざわを選択。
朝6時に出発して渋滞にも遭わず、8時に到着。気温は4℃水温11℃。すでに多くの釣り人が竿を出している。
前日吹き荒れた風は治まり、ほぼ無風で晴天。周辺の紅葉も見頃の釣り日和。
準備を整えて、いざヤマメクラシックⅡへ。既にポイントポイントにflyfisherがいるので、空いたポイントを探してエルクロードに入渓。昨年と比べると魚影は薄い。見る限りニジマスばかりでヤマメやイワナは確認できない。あとで釣場スタッフに聞くと、今年の台風の大水で大分流されたらしい。
事務所前の区切られたプールでは、ポツリポツリと小さな虫を食べているようなライズが見えるので、まずは#20ぶら下がりのCDCクイルボディピューパを結ぶ。毎日フライやティペットをさんざん見ている魚は手強い。フライを流れにのせても、見えている魚は全く反応しない。
深みの底や岩陰に潜むやるきのある魚を引きずり出せるかが勝負だ。
途中の浅めの小さなプールでは、尺越えの雌と40cm越えのレッドバンドがはっきり出た雄が産卵の準備をしていた。雌は川底を尾ビレで叩き、雄は近づいてくる他の雄を追い払う。それを距離を置いて暫く眺めてその場を離れた。できれば他の釣り人もそっと見守って欲しい。
お昼休憩を挟んで午後の部。気温も上がり、目に見える大きさの水棲昆虫が飛ぶようになってきた。クラシックⅡに向かう前に、一旦目の前のプールでどのフライの反応が良いかをテスト。#20の茶色いパラシュートへの反応が良いのがわかったので、このフライで再びクラシックⅡへ。
虫が飛んで魚の活性も上がり、午後はフライへの反応も良い。何匹かニジマスを釣った後、サイドワインダーの先の淵、深い所から浮いてきた魚がフライを咥えた。引き寄せるとニジマスの引きとは違う。ネットに納まったのは、パーマークが消えかかった良いサイズのヤマメだった。
測ると27cm、9寸のヤマメ。全体にヒレはしっかりしているが、尾ビレの下側が欠けスリムな魚体から察するに、この秋に産卵を経験した雌なのだろう。このまま死なずに年を越すことができれば、来年は尺だ。
更に釣り上がると、瀬から元気よく飛び出してきた小さな魚体。パーマークがあるのでヤマメかと思って見ると、ニジマスの幼魚。この川で生まれたのだろう。ヤマメもニジマスも、それぞれに命を繋ぐ営みが繰り返されている証拠。ここが豊かな川である証左でもある。
魚の活性が上がり楽しい時間ではあるが、帰りの渋滞も気になるので午後2時に納竿。
2時半に出発し順調に帰れるかと思ったが、案の定事故渋滞。ただ、首都高の渋滞は無く高井戸を過ぎたら順調に流れ、帰りは3時間半で帰宅。世界遺産の放送開始に間に合った。
次回は年内最後、養沢毛鉤専用釣場にと思ったら、冬期特別営業は12月1日までだった。養沢は来年の解禁までお預けか。
ということで、今年の自然渓流への釣行はこれにて終了(多分)。
来年も良い釣りができますように。