安部首相、今時手書きで宛名が空欄の領収書を出すホテルがあったら、犯罪者やマルサの狙い撃ちですよ
国会での安倍首相の答弁の報道を見ながら、色々と思い出していた。
昭和の宴会は色々大変だった…
戦後間もなくから平成の中頃まで、親族が温泉旅館を経営していた。
昭和40年頃だったかには、暴力団の手打ち式がそこで行われ大騒ぎになった事がある。もちろん、予約を受けた時にはそんな団体の宴会とは知らず(電話で名前と人数、予算だけだもん)、当日宴会に集まったお客さん(そりゃ、見ればわかる!)に驚いたという。
翌日テレビや新聞で大騒ぎになったが、それは「手打ち式」自体のこと。今なら反社会的組織に会場を貸したというだけで大問題だ。
昭和の最後の頃だっただろうか、親戚が集まりお酒を飲んでいるときの雑談で、「お役所の宴会予約には参るよ」という。反社ではなくお役人?どういうこと?
聞くと、「明細のない手書きの領収書を出してくれ。出せないなら他の所にする」と言われるという。場合によっては「金額欄を空欄に」という要求もあるというから驚いた。きっと参加人数や単価を改ざんして精算し、差額をプールしたり着服したりしていたのだろう。まだ、官官接待も黙認されていた時代だ。
その後、公務員のこのような行為が日本全国の役所で行われていることが明らかとなり、官官接待とともに宴会や会食に厳しい目が向けられるようになった。
IT無しでは立ち行かない
今時の大型ホテルでは、間違いなくホテルシステムを導入して、宿泊、宴会、レストラン、駐車場などなど、予約から売り上げ、仕入れ、入出金の状況まで、あらゆるものがデータ入力され一元管理されている。宿泊や宴会、レストランのメニュー毎の売上・原価・粗利なども細かにデータ化され経営の指標とされる。
宴会では、主催者(幹事)が一人あたりの料理・飲み物の予算と人数を事前にオーダーし、まとめて精算する。特に立食の場合は料理・飲み物の出方、更には出席者の歩留まりはホテルでは予想もつかないので、出席者から個別に会費を集めて精算するようなことはありえない。出席者から会費を直接集めるのは、ホテルが主催する場合だけだ。従って、宴会出席者一人一人に領収書を出すのは、会の主催者。そうでなければ、高い会費を取り、少ない料理で大人数を集める政治資金パーティはやる意味も無い。
桜を見る会(↑写真はイメージです)の前夜祭の支払いについて、↑日経新聞の記事では
首相は3日の衆院予算委での辻元氏との質疑で「領収書はホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄だった」と答弁していた。
とある。それに対してANAコンチネンタルホテルの文書での回答は
(1)見積書や明細書を主催者に発行しなかったことはない(2)宛名が空欄の領収書を発行したことはない(3)代金はすべて主催者にまとめて払ってもらう(4)主催が政治家や政治関連団体の場合でも例外としたことはない
もしも都心に安部首相が答弁したような対応をするホテルがあれば、あっという間に「あのホテルなら宛名無しの領収書を出す」と噂になる。そうすれば反社や脱税や良からぬ事を考える犯罪者、さらにはホテル自体もマルサの良い標的になるだけだ。
領収書を渡さなくても、少なくとも開催された会の請求明細はホテルシステムにデータとして残っている。もしもこれを削除しようものなら、今度は売り上げとして入金された現金が宙に浮いてしまう。
主催者が請求すれば、領収書の再発行は可能な場合もあるのだが…
国民は誰が正しいことを言っているか、誰が嘘をついているかはわかっている。あんな答弁をするようでは、首相の頭の中は昭和で止まったままとしか思えない。いい加減に観念し、桜の会の議論にケリを付けてもっと重要な議論をしてくださいよ。
2020/02/post-ff7eed.html
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