レンブラント、フェルメール、そして帰りは行きの倍の6時間半ーブリュッセルからアムステルダムへ、列車で日帰り旅行に行ってきた-Part2
ブリュッセルからアムステルダムへ、列車で日帰り旅行に行ってきた-Part1より続く
運河クルーズの船を下りると、既に1時を過ぎていた。急いで国立美術館に向かわなければ!
一旦アムステルダム中央駅に戻り、地下鉄とトラム共通の一日券(8€)をまず購入。しかしどの路線に乗って何処で降りれば良いのだろうか?路線図では24番のトラムに乗れば近くまで行けそうだ。が、その24番のトラムはどこから乗るの?と、とにかく朝の思いつきで突然やってきたアムステルダム。わからないことだらけ。
やっと見つけた乗り場から24番のトラムに乗り、GoogleMap上で移動する自分の位置を確認しつつ美術館に近づいたところで降り、そこから歩いて5分ほどで美術館へ無事到着。スマホ様々、GoogleMapありがとう、である。
国立美術館の前にも当然運河があり、そこにも観光船の乗り場があった。ここからも周遊のコースがあるのだろう。
滞在時間30分!
美術館の建物はアムステルダム中央駅によく似た外観だと思ったら、設計者が同じらしい。
それよりも、既に時刻は2時近い。急いで入館して夜警とフェルメールを見なければ。本当なら一日かけてじっくりと美術品を見て回りたいところだけれどそれは叶わない。この目で実物の作品を見るということだけが今回の目標になった。悲しいけれど、鑑賞とはほど遠い。
ところで、「夜警」は?「フェルメールの作品」はどこにある?
広い館内、ピンポイントでその場所を目指さなければ時間切れで見られなくなってしまう。フロアガイドを手に一目散に2階へ駆け上がる。
夜警は修復中で、その修復作業そのものを見せるというパフォーマンス的な展示。職人が足場を組んで……というのを想像していたら、光学レンズで何かのデータを取ってコンピュータに記録しているのか?いかにも現代の科学的アプローチ。足場とその機器のおかげで、「夜警」そのものはほとんど見ることができず、次は同じフロアのフェルメールの作品がある場所へ。
3作品のうちの一つ、「小路」の展示は無かったが他の2つ「牛乳を注ぐ女」と「手紙を読む女」は見られた。どちらも思ったよりも小品で、「夜警」とのコントラストがなんとも言えない。
入館料20€を支払って、国立美術館の滞在時間はわずかに30分!それでも、行かなきゃ見られない天下の名品をこの目で見たのだ!
残念ながら3時の列車には間に合いそうもないが、再びトラムに乗り中央駅へと向かった。
駅に到着したのがちょうど3時。そこからチケットカウンターに並んでブリュッセル行きの乗車券を購入し、4:03発のIC出発まで海と目の前を走る自転車(オランダは自転車大国だった!)を見ながらカフェでしばしの時間くつろいだ。本当は運河をみながらカフェでゆっくりとしたかったのだけど、それは叶わなかった。
何故待ってくれない!?
4:03の定刻に列車は出発、1回目の乗り換えは問題なく帰りもこのままスムーズに行くのかと思っていた。しかし、途中の駅で停車したままなかなか出発せず、この駅の出発は5分遅れとなってしまった。もともとBREDAでの乗り換え時間は5分。しかもホームは離れている(7番ホームに到着し、5番ームへ)ので一度階段を降りて再び上がらなければならない。5分遅れで到着した時には、その列車はまだ5番ホームに停まっていた。乗り換えの客は列車を降りるなり5番ホームへダッシュ!階段を駆け上がったところで、しかし無情にも列車は発車してしまった。
ホームに取り残され、落胆した乗り換え客。BREDAには改札があって(アムステルダムにもあったので、オランダ国内は改札があるのか?)出ることもできず、駅員を探すも見当たらない。次のブリュッセル行きの列車はいつ、どこから出るのか?と改札の脇に銀色のポールが立っていて、「infomation」(だったと思う)の文字とマイクらしき物とボタン。試しに押してみると応答があった。次のブリュッセル行きを訪ねると、5番ホームから6:42分出発だという。乗り遅れた列車の1時間後の列車だ。この乗り換えで1時間のロス。
日がとっぷりと暮れて寒い中、ホームの冷たいベンチにじっと座って待っていると、やがてホームに列車が入ってきた。この駅始発のようだ。列車に乗れれば寒さはしのげる。ところが定刻になっても発車しない。7番ホームを見ていると、列車が入ってきた。乗り継ぎを待っているようだ。どうして前の列車は待ってくれなかったのか?と腹立たしくもあったが、僕たちと同じ思いをする人が減るだけでも良いだろう。
そして定刻よりも僅かに遅れて列車はブリュッセルに向けて出発した。
客以外誰も居ないアントワープ駅
BREDAを出発してほどなくするとアントワープ駅に到着した。しかし、今度はなかなか出発しない。暫くすると車内アナウンスが流れ、この列車はキャンセルになったという。2番ホームの列車に乗り換えるよう言ってる。乗客は慌てて列車を降りて2番ホームを目指す。
アントワープ駅はホームが何層にも重なっていて、到着したホームから2番ホームへはエスカレーターでずっと登っていかなければならなかった。一番上の階にある2番ホームにたどり着くと、そこには列車はいない。同じく上がってきた他の客達は反対の3番ホームに止まっている列車に乗り込んでいくが、そもそも行き先がわからない(ブリュッセル行きではない)のでそれに乗って良いのかもわからない。僕たちと同じように2番ホームで待つ者もいれば、3番ホームの列車に乗り込む者もいてホームは混乱していた。暫くすると、ぎゅうぎゅうになった列車が3番ホームから出発。そして2番ホームには列車が入ってきた。これか!と思ったら、客を降ろしたら回送で乗れないと車掌が言う。
これは困った。美しくもだだっ広いアントワープ中央駅。余裕があれば写真を撮りたいところだけれどそんな余裕もなく、タダひたすらに情報を求めて発着案内の電光掲示板を見たり駅員を探したり。インフォメーションセンターもシャッターが降りて、駅構内には客以外に話を聞けそうな人間がに当たらない。そもそも、他の客も途方に暮れている。
駅を上がったり下がったりしていると、チケット売り場が見えた。アントワープにも改札がないのでチケット売り場へそのまま出られる。少なくともここなら何か情報があるはずだ、と列に並び順番を待った。
順番が来ると、持っているブリュッセル行きのチケットを見せて、どうやったらブリュッセルへ行けるのか教えて欲しいと告げる。すると、2枚の紙をプリントアウトしてくれて、まず2番ホームから出る列車(今度こそ!)でLeuvenまで行って、そこからブリュッセル行きに乗り換えると教えてくれた。その列車も間もなく出発だ。その後Leuvenの乗り換え時間は30分もあり、これから出発して順調にいけば、ホテルに戻れるのはおよそ2時間後の10時半だ。
情報をゲットして急いで2番ホームに上がり列車に乗り込むと、ほぼ席は埋まっていた。4人かけのボックス席に女性が一人のところに座ると、ブリュッセルに行くのかと尋ねられたので、そうだと答えると、周りもみんなそうだと。隣のボックス席の若い男女のグループもそうだといっていた。みんなたどり着ける確証もなく疑心暗鬼でその列車に乗っていた。そこに僕がチケット売り場でプリントアウトしてもらってきた乗り換え案内を見て安心したようだった。
その後は順調に進み、予定通り?10時半にホテルもたどり着くことができた。
アムステルダム中央駅を出発して実に6時間半。思いがけずの長旅となってしまった。
アムステルダム中央駅の検索画面で見た赤い文字、そしてチケットと一緒にもらった乗り換え案内の「werkzaamheden」は工事中ということだったのだろうか?オランダ語は文字で見てもさっぱりわからない。言葉で話してくれればポケトークが翻訳してくれたのだけれど。
早くに気付いていれば、「werkzaamheden」って何?と尋ねられたのになあ。
FBでホームから状況報告したら、「欧州の列車を信用する方が悪い」だの「それは普通のことだ」だのと、保険をかけずに出かけた僕が悪いだけということで話は終わり、誰も哀れんではくれないままベッドに入ったのでした(T^T)
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