店名・屋号に地名を入れるのなら、地元愛かリスペクトを
海の日の休日だけあって、まだ5時過ぎだというのに満席になっている居酒屋もあり、熱く火照った喉にビールを流し込む多くの人の姿。さて、「博多どんたく」は既に客はいるものの、まだ余裕が有りスムーズに入れた。壁のメニューには「稚加榮のいわし明太子」や馬刺し、焼ラーメンなんかもある。
席に着くなり、1リットルのどでかジョッキのハイボール(680円 税別)を注文する。すると、博多の焼き鳥屋と同じく、ハイボールと一緒にキャベツが運ばれてきた。
何だか違うぞ!?
「おっ!」と喜んだのもつかの間、キャベツのドレッシングは博多で一般的なポン酢風のそれではなく、サラダのドレッシングのようなオイル系。
ホールの若いお姉さんに、「オーナーか誰か博多出身なの?」と尋ねると、「いいえ」と。じゃあ、「稚加榮って何だか知ってるの?」との問いには「何のことですか?」って。
そういえば、BGMは祭り囃子や津軽三味線、それに演歌といった、どちらかというと東北の港町の居酒屋にいるような感じだ。「どんたく」は博多の祭りではあるけれど、ちょっと違う。
福岡出身の人間が東京や関東に店を出すなら、屋号に「博多」を入れるのにはそれなりの覚悟をするだろう。しかも、「どんたく」はまず採用しない。祭りの名前を入れると言うことは、その祭りのエキスやアトラクション、体験を期待される。徳島の人が「阿波踊り」という名前の居酒屋を開くようなものだ。実際、銀座に「阿波踊り」というお店がある様だが、みんなで阿波踊りを踊る時間が設けられている様子。
まあ、メニューの品揃えや出される調理はそこそこ満足いくものであっただけに、残念。
パリでも「博多○○」という名のラーメン屋があったので中に入って、誰か福岡出身の人間がいるのかと聞いたら、縁もゆかりもないとの回答にガッカリして店を出た。
最近は、その土地に縁もゆかりも無い企業やオーナーが、土地のブランドやイメージに乗っかって飲食業を始めるケースが多い。丸亀製麺はてっきり香川の企業だと思っていたら違っていたし、築地銀だこも東京発祥ではないようだ。
誰でも、故郷や出身地には思い出や思い入れがあるもの。地名を屋号に入れるのなら、せめてその土地へのリスペクトを示して欲しいものだ。
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