ケーキショップの店先にうずくまっていた若者
僕は、遅れているバスの到着をまっている間も、後ろの彼が気になってしかたがない。バスも来ないし、それから5分ほど彼の様子を見ていたが全く動かない。まさか夜明頃から座っていて、寒さで凍死?と心配になった。声をかけてもやはり反応無し。手を触ってみると暖かかったので、死んではいないと一安心。手には裸の1000円札を2枚握っていた。
今度はその2000円も気になり始めた(いや、僕が欲しい訳じゃない)。場合によっては、この2000円を誰か行きずりの不届き者が捕ってしまうかもしれない。何度か声をかけ、揺するとやっと少し動いた。かすかにアルコールの匂いがしたか?酔い潰れて睡魔に勝てなたったのだろうか。
「せめてこのお金は財布に入れるなり、カバンに入れるなりしなさい」と声をかけるも、顔をあげることもなく腕だけが動く。動いたはいいが、今まで膝の間で見えなかった2000円が、さらに露わに見える様になった。これではまずいと、その2000円を、僕が掴んで手提げ袋の奥に押し込んだ。
「お金は手提げの奥にしまったからね」と声をかけても下を向いたまま反応しない。
そこへ15分遅れでバスがやって来たので、彼をケーキショップの店先に残してその場を去った。いずれ目が覚めるだろうし、いざとなったらケーキショップの店先だし、バス停の前。誰かが救いの手をさしのべるか110番に通報するだろう。
青春だなあ!
さて、彼は今頃どうしているだろうか?
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