ファミリーにも人気の丸亀は、年寄りには大変な店だとわかった
東京では、休日のお昼に家族で出かける事が多い丸亀製麺。丸亀は福岡のうどん店と同じようにネギを好きなだけ入れられることと、天麩羅が揚げたてなのが気に入っている。何よりもコストパフォーマンスが良い。しかし、うどんそのものの食べ方としては釜揚げとかぶっかけとかいろいろあるけれど、結局はかけうどんしか食べない。ということは、福岡のうどんとの違いは麺に腰がある事くらい。
両親にとっては讃岐うどんというだけで、いつもと違う食体験。買い物ついでに普段とは違う雰囲気のお店も良いだろうと丸亀製麺へ寄ってみた。
選ぶことはできても作ることはできない
丸亀製麺では、まずベースとなるうどんの食べ方を「かけ」か「釜揚げ」か「ぶっかけ」、「ざる」などから選び、受け取ったうどんの器をトレイに乗せ、それから天麩羅などのトッピングやおにぎりなど乗せて会計に進む。学食やフードコートによくあるスタイルだ。
しかし、両親世代ではそんな体験はほとんど無い。目の前に見本があってそれから1つを選ぶというのなら良いのだけれど、丸亀の注文方法はメニューから「選ぶ」のではなく自分の好みのメニューを「作る」作業。そんなの未経験の両親がいきなりこの列に並んでも、どうしていいのかわからず固まってしまう。横で助言しながら無難なかけうどんを選び、天麩羅のトッピング(しかも食べられない量)をお皿に乗せ会計を済ませる。さらにここで普通のうどん店と違うのが、かけうどんに汁が入っていない事。会計後に汁を自分で注がなければならない。世代なのか、両親は二人とも控えめに注いでいた。
セルフサービスは年寄りに優しくない
うどんが完成し、それぞれがトレイを持って席まで移動しなければならないが、うどんとトッピングの乗ったトレイはそれなりに重たい。80を超えて足元もおぼつかない年寄りには、そのトレイを持って移動するのは大変な事。
席について食べようと見ると、案の定、二人の丼の汁はほとんど無くなってしまっていた。牧野うどんでも麺が汁を吸って出汁がなくなってしまうが、牧野うどんなら出汁を足せる。しかし、丸亀では出汁の入ったヤカンがある訳ではないので、最初に十分な汁を入れておかないと後悔することになってしまう。仕方がないので、湯飲みに出汁を入れて持って来て丼に継ぎ足した。
幸いなことに、両親共に初めての丸亀製麺には満足していたようだ。しかし、せっかく美味しい食事体験をしても、年寄りにとっては最後にもうひとつ苦行が残っていた。食べ終わると、再び各自がトレイを持って洗い場まで持って行かなければならない。
トレイを取って注文から会計、席について食事をし、店を出るまでの一連の流れは、付き添い無しの年寄りだけだと、結構な苦行を伴う。
サービス業はどこも人手不足で、フードコートやセルフサービスの店が増えている。手ごろな価格で食事を提供しようとすると、人件費を抑えるためにセルフ化は避けて通れない。一方、高齢者はセルフサービスだと食事さえも苦行になりかねない。
お年寄りにも優しくて人件費を抑える為に、セルフサービスの次に来るのは、ロボットによるサービスなのだろうか?
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