キュレーションメディアの台頭は情報を遮断してバカを増やす?
インターネット・スマートフォンの普及で、情報を簡単に検索・手に入れることができるようになった。おかげで新聞や雑誌、書籍の発行・販売部数はどんどん減っている。新聞はネット配信にチカラを入れているが、紙の新聞購読からネットの有料講読に移行しているとは言い難い。情報誌はどんどんネットのサービスに移行し、とうとうケイコとマナブも休刊が発表された。
最近のネットのサービスは、利用者一人一人に合わせた最適化が進んでいる。検索連動広告だけでなく、WEBの利用履歴などをサーバーが解析して、一人一人(利用端末)に最適化した広告を配信するのは当たり前になった。Google Alertにキーワードを登録しておけば、そのワードが含まれるニュースがメールでも届く。
新聞のサイトも、利用者の興味関心の高いカテゴリーを登録したり、良く読むページの傾向を解析して、最適化したニュースをオススメとして配信するようになってきた。
ここ1~2年で一気に増えたキュレーションサイト。これも登録者のサイト利用の傾向を解析してオススメの記事を配信しくれる。Gunosyのサービスが始まった時には、これは良さそうだとすぐに登録して使い始めたけれど、だんだん余計なニュースや広告ばかりになり鬱陶しくなって半年ほどでアプリは削除した。もう一つキュレーションサイトを登録しているが、こちらは至極まっとうなニュースを選んで配信してくれるので、そのまま利用している。
キュレーションサイトは利用者の興味関心を解析して、ニュースや話題を選んで届けてくれるわけだが、普段から芸能ニュースしか読まない人には芸能ニュースばかりが配信されているのだろうか?新聞なら1面から総合面、国際面、経済面、文化面……と様々な分野をページごとに整理しているので、一通りページをめくる行為の中でなんとなくでも全体に目を通す。しかし、キュレーションサイトでは最初から興味の無いテーマは出てこない。政治や経済に関心が無い人にはそんな記事は配信されない(のだろう)。しかもキュレーションサイトが拾ってくるニュースやコンテンツは、ちゃんとした報道機関の物だけとは限らない。1本数百円で粗製濫造された記事も一緒に配信されてくる。
かくして、「人は見たい物だけを見る」世界が促進されていく。
ベッキーやSMAPがスポーツ紙の1面を飾ったことを、ずいぶんな時間を割いて取り上げるテレビのニュースもどうかしている。テレビの報道の現場は、スポーツ新聞とネットにしかニュースのネタ元はないのか?と思ってしまう。
TwitterでもFacebookでも、似たもの同士が繋がりフォローし合って、場合によってはデマや誤った情報に乗せられ拡散してしまう。それが間違っていることにも気付かずに。
そんな情弱な人間を、便利な機能・便利なサイトが益々世間の常識や重要な情報から遠ざけて行ってしまう可能性がある。いろんなところで聞く「情報開示が不十分」とか「説明不足」というコメント。実際には新聞でもネットでもいろんな解説がされていることがほとんど。検索すればいくらでも情報は出てくる。単に興味が無いから見ていない(目を背けている)だけなのだ(もっとも、都合の悪いことを隠していることも実際にはあるが)。
以前、「やはり紙の情報誌(リクルートブック)は必要だ」でも言及したが、情報のマッチングをデジタルに追求していくと、偶然の出会いやもっと重要な情報を切り捨てていくことになり、情報だけでなく日常生活までも蛸壺化していってしまう。
このままでは、キュレーションサイトが情報格差を拡大してしまいそうで、心配になってしまう。
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