水害でも生き残った酒、東洋美人に力を貰う
冬が近づくと、鍋をつつきながら日本酒が飲みたくなる。
下町には蔵本と長年に渡り関係を築き、良いお酒を普通の値段で置いている昔から続く酒屋がある。うちの近くの店もそんな一軒。
しんどかった師走の初日、疲れてその店の前を通りかかったのは、店じまいをしようとしている頃。普段ならそのまま通り過ぎるところだったが、何故だか今日は日本酒で1日を終わりたくなった。
店じまいにかかろうとしているご主人に
「もう閉めますか?」と尋ねると
「大丈夫だよ」と。
いつもなら”〆張鶴の純”を買って帰るところなのだけど、その隣の控えめなラベルのボトルが気になった。
山口県萩市澄川酒造場の”東洋美人 原点 雄町”。
おかみさんが「昨年の水害で生き延びたお酒ですよ」と。
昨年の土砂災害で、蔵が大きな被害に遭いながら奇跡的に生き残ったお酒。そして 『蔵の改築』と『酒の仕込み』を再開し、今年なんとか新酒を出荷。
ラベルには水害に遭った日付、2013.7.28と印字されている。
今年の広島の水害は記憶に残っているけれど、昨年のことはもう忘れてしまっていた。恥ずかしい。東日本大震災の後は宮城や岩手の酒を選んで飲んでいた。復興を支援するためにも今日はこの一本にしよう、と購入した。
支払いを済ませたら「くじ引きを3枚引いて」と言われ、懐かしの3角くじを3枚。くじ運は良くないのでどうせ外れだろうと思っていたらB当が当たったという。なんと、富乃宝山の仕込み水2リットル。
嬉しいんだけど、酒1升と水2リットルで約4kg!
やっぱりくじ運が悪いのか?
心にも体にも荷が重い1日の締めくくりとなった。
そういえば、30年ほど前には「南部美人」にほろ苦い思い出があるけれど、「東洋美人」の方がスケールも大きいかな。
奇跡的に生き伸びた酒に、力をもらうか。
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