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2014.10.30

安倍政権の「女性活躍」は、見かけだけの肉まん・豚まんだった?

20141031_152752s30年前、平均の結婚年齢は男性26歳、女性23歳と言っていた。
僕が結婚したのは27歳、妻は26歳の時(どういう訳だか、妻はいまだに自称26歳といっているが)。二人とも、平均よりもちょっとだけ遅め。同期の半分は既に結婚していた。

当時は女性の婚期をクリスマスケーキに例えていた時代。女性に職業を尋ねると、「家事手伝い」という人が多かった。職に就かないまま生家の家事手伝いをし、24歳までに結婚をして専業主婦になるというのが理想のパターン。テレビのクイズ番組なんかで、出場している女性の半分くらいは「家事手伝い」だったりした。1980年代初頭、担当をしていた某有名私立お嬢様大学では、「就職することは恥ずかしい」とまで言われていた。「どうして働かなければならないの?これから永久就職のために花嫁修業をするの」というのがその学校の卒業生の意識だった。
まだまだ女性は高卒で社会に出る人が大半で、そこから進学しても短大が主流。四年制大学に進むのはごく一部。四年制の私立女子大なんて、それはもう特別な存在だった。

実際、花嫁学校にも取材したことがある。学ぶ内容は料理や行儀作法のほか、着物の着付け、茶道、活け花、日本の歴史や文化などなど。アイロンのかけ方も教えていた。武家の嫁、あるいは明治から戦後の官僚に嫁ぐ嫁に求められたようなスキル。海外に出て、日本女性として恥ずかしくないアイデンティティをしっかりと示せるスキルと倫理観、価値観を身につけるという学校だった。そこで学んでいる女性の多くはそれなりの家柄の人や外交官、商社マンとの結婚が決まっていたり、そういうお相手を求めている方。一時期は欧米版のフィニッシングスクールというのも注目されたが、最近はとんと話題に上らなくなった。

一方、日本には「髪結いの亭主」という例えもある。
今で言うなら「美容師の亭主」ということになるけれど、嫁さんが稼ぐと亭主は怠け者になって働かないという例え。それだけ昔から家庭内の男女(夫婦)の役割分担ははっきりしていたということだが、これも限られた階層の話しだろう。農業などの一次産業に従事していれば、仕事の役割分担はあっても家族総出。二次産業は鍛冶屋や大工、家具職人、指物師などの限られた職人の世界で、ほとんどは男の仕事場。城下町や門前町などのいわゆる町民の多くは三次産業に従事していたと思われるが、お上さんと女中や下働き以外はこれも男性の職場だった。
江戸時代までの女性の仕事は、髪結いや芸者などの職種に限られていた。要するに、女性は働きたくても働く場が無く、男が働かなければ家族が路頭に迷った訳で、男が経済的な支柱にならざるを得なかった。ところが、女房にそれなりの収入があると、怠け者の男は途端に働かなくなるということだ。まあ、亭主がろくな奴じゃないというだけなのだが、怠け者の亭主の妻は下手に働いて収入を得るようになると益々亭主が働かなくなるから、そこそこにしときなさいと言われているようでもある。

暴論かもしれないが、今の日本の家庭を支える妻は、パートで年収100万円程度がちょうど良いんだと、この時代から刷り込まれてしまっているのかもしれない。

今の自民党は、女性閣僚も含めて保守的な思想(10月7日、国会の蓮舫議員の質疑「内閣改造は、女性活用と真逆な方向に思えてならない」)を持っている皆さんが多い。上に書いた、花嫁修業をするような女性が理想だと考えているに違いない。今の経済界のトップや管理職の多くも同様だろう。自民党は産業界・経済界は敵にまわしたくない。その人たちが「女性の活躍」を語ってもピントがずれるのは当たり前。働きたくない人や、現状で満足している人に無理矢理働けといってもそれは無理な話。

本当に女性の活躍を願っているのなら、政治献金やパーティを一切あてにしないで、経済界を敵にまわしてでも北欧並みの改革を断行するしかない。マタハラやセクハラ・パワハラのない職場を当たり前にできない限りは女性が活躍する社会は難しい。社会保障、年金改革だっていっこうに進む気配がない。所詮は「お金」と「票」しか見ていない肉まん・豚まん(ポーズ)内閣って言っちゃうぞ!

ちょうど話題になっていたふなっしーの肉まんゲットしたので、メインビジュアルにさせていただきましたなっしー。

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