長男の卒業、そして…
3月23日(土)は、長男の卒業式だった。
生憎、この週末は福岡。とはいえ、東京にいたなら卒業式に行ったかと言えば微妙なところ。
自分自身の卒業式でも親は来なかったし、卒業式の後はみんなで飲みに行ったか何をしたか?とにかくもう、22歳のいい大人。親としては留年もせず無事に卒業してくれたことを喜ぶのみ。すねをかじる生活からの卒業の日でもある。
ところが、残念なことに就職はまだ決まっていない。4月からはアルバイトをしながら就活を続けることになる。
卒業の祝いに、就職は決まっていなくとも社会人となる長男に、吉田カバンの皮のブリーフケースを注文した。本当なら手渡ししたいところだが、お互い照れくさいしタイミングというのもある。日曜日には届くだろう。
長男と妻(母親というものはやはり、22歳になっても放ってはおけないようだ)が卒業式に出かける頃、僕は古湯の河原に立っていた。LINEでメッセージのやりとりをした後に、ゆっくりと竿を出す。3月も下旬になると、古湯のヤマメはすっかりすれてしまい、簡単には釣れなくなる。と同時に釣り人の数も激減し、9時前だというのに餌釣り師が一人いるだけ。すれていても釣り人が少ない分だけプレッシャーは小さい。ヤマメが確実に居るはずのところに、正しくフライを流せば出ないわけではない。ただし、#22とか#24と言うサイズのフライにではあるが。
流れの中からは、警戒しながらもぼちぼちヤマメが顔を出す。そんな釣りをしていると、大きめのメイフライの姿も。ライズは全くないが、ヤマメもその姿は視線の隅で見ているだろう。僕の目にもシビアなミッジの釣りは疲れるので、後半は#16のカディスを結んで釣り上がり。で、やはり出た!
桜の開花は、人にも魚にも新しい世界を見せるのだろう。
週は変わり、3月28日(木) 福岡で最後の打ち合わせが長引き、東京への飛行機には滑り込みで間に合った。10日ぶりに帰宅し玄関を上がるなり、珍しく長男が自室から声を掛けてきた。
「就職が決まったよ!」
え?
いきなりのことですぐに状況が飲み込めない。情けないことに「おめでとう!」という言葉もすぐに出てこなかった。何?と聞くと、この日の夕方内定の連絡があったというのだ。
職種にこだわって就職活動を続けていたので、職種よりもまず就職することを考えろと言っていたが、最後まで曲げずにここまで来て、ついに内定を勝ち取った。小さな会社ではあるが希望の職種。最後まであきらめず、負けを認めなかった結果だ。今年度も残り3日というギリギリでの滑り込み。アベノミクスに救われたのかもしれない。
その夜は、「父が帰る日のカレー」と、長男の生まれ年1990のボルドーを開けてささやかにお祝い。
寝る前に妻が「お父ちゃんには直接伝えたいからって、待ってたんだよ。私にはLINEのメールで伝えてきたくせに」と教えてくれた。
卒業祝いのブリーフケースは、就活で使われること無く、4月1日の初出勤に使われることとなった。
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