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2013.03.01

2013年の解禁を迎えるに当たり

どきどきしながら、思い切って携帯に電話をかけてみた。

5ヶ月間の音信不通。
昨年10月にメールが届いたのが最後。
それから何通かのメールを送ったが返信は無かった。

ところが、今年に入り、突然1通の返信メール。
それは娘さんからのものだった。
「父は病気を患い、入院しております。代わりにご連絡を差し上げました」とのこと。
短いメールの文面には、病名も病状も書かれていなかった。しかし、軽い状況では無い事だけは伝わってきた。

音信が途絶えたのは、新潟に住むKさん。私の愛用するバンブーロッドの製作者だ。プロのビルダーではなく、仕事の合間の趣味で製作されていた。いずれは息子達に残してやろうと、2本のロッドを製作していただき、愛用している。これまでも何度も折ったりなんだでロッドを送っては、修理していただいていた。
一度も直接会って話をしたことも無く、メールでのやりとりだけ。しかし、新潟と九州の山や川、自然のことやロッド製作の事、釣果の報告など楽しくメールを交わしていた。このブログも、時々見ていただいていた様子だった。

200609034_2そして、昨年夏の終わりに折れた3pのロッドを、修理のために送ったのが10月。初めて尺ヤマメを釣り上げたのもこのロッドだった。ロッドの到着確認と、修理の進め方についての確認のやりとりをし、修理完了の連絡を待っていた。
しかし、それからぷっつりと連絡が取れなくなっていたのだ。
突然の娘さんからのメールだった。

そのメールからも既に1ヶ月半。解禁の日を迎えた。
なんとなく、今日電話しなければならないような気がして、恐る恐る携帯の番号をプッシュした。もちろん、今まで電話をかけたことはない。最悪の事も頭の隅をよぎるなか、携帯の向こうから聞こえる呼び出し音を聞いていた。1回1回の呼び出しが長く感じる。このまま繋がらずに終わるのだろうか、と呼び出しが10回を超えたとき、ふと呼び出し音が消えた。電話が繋がっているようだが、向こうからは何も言わない。人の気配はする。
思い切って、「Kさんですか?福岡のflydayです」と声をかけた。
すると、電話の向こうから、弱々しい声で答えが返ってきた。Kさんだった。
見知らぬ番号からの電話に、良く出てくれたものだ。

Kさんは、脳梗塞を患い入院しているという。しかし、「3月10日にメールします」という。電話でなんとか話ができるように回復したタイミングだったのだろう。10日にメールをすると言い切るということは、その前に退院できると言うこと。本当に良かった。

しきりにロッドのこと、連絡しなかったことを謝られたが、そんなことはどうでも良い。最悪の事を考えてしまった自分が恥ずかしい。ゆっくりと静養して、全快したらその報告をしてもらえれば良い。

これで、明日の解禁釣行は、すっきりした気分で出かけられる。
良い解禁が迎えられそうだ。


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