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2013.02.03

岡山市の桃太郎市への改名予告は、やはり広告代理店のプラン。自治体の予算消費の仕方に疑問。

Photo2月になり、四国や信州の一部の河川では、解禁を迎えている。そんなところに釣りに行けない我が身としては、3月の解禁が待ち遠しい。
さて、渓流ではないが、もう一つ2月1日に解禁となったのが岡山市の特設サイト。
2月1日に桃太郎市に改名すると宣言して、特設サイトをオープンさせると予告していた。
かくして、2月1日の朝にそのサイトを覗きに行くと、まだ本サイトにはなってなかった。

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14時に本当のPRサイトをオープンするという、再度別な予告サイトが。そこには、件の動画は市長が鬼に操られてあのような会見をしたのだという状況報告と、香川県、広島県のキャンペーンのぱくりと非難されていることに対しては両県に事前に確認を取り、承諾を得た上でのものだったという注釈が「大きく」書かれていた。

そして、14時を過ぎると本当のキャンペーンサイト「伝説の岡山市」が立ち上がったのだが、予想通りの大手代理店が仕込んだ臭いぷんぷんのサイトになっていた。
鬼に操られた市長が、保育園の子どもたちの豆で正気を取り戻したというのは可愛くて良いのだが、その後の展開はなんとも………
自治体のこのような事業では、必ず事前に公募して仕様書を公開する。そして、審査結果(事業の委託先)も公開することが多い。岡山市は丁寧に一つ一つ公開している。
その中で今回のサイトに相当するのは、2012年9月に募集した、岡山「えーとこ・ぜんぶ」届けよう事業のようである。”岡山「えーとこ・ぜんぶ」届けよう!事業 インターネット等による魅力発信業務委託に係る企画競争”により選ばれた、電通西日本岡山支社による提案だったようだ。であれば、当然香川県や広島県のキャンペーンに乗っかって話題にするのであれば、事前に様々な根回しやら確認は取ってからスタートもするだろう。

あの桃太郎市への改名宣言会見動画と予告サイトで感じた違和感。先のブログで書いたように、今時とは違う何か大きなギャップを作り出して、本サイトのサプライズ感を盛り上げようとしたことは想像に難くない。

確かに話題にはなったし、3段構えでサプライズを用意していた作りはなるほど面白い。しかし、”岡山「えーとこ・ぜんぶ」届けよう”事業が、誰に対してどのような行動を求めているのかについては疑問が残る。そもそも、仕様書にもそこは何も言及されていない。
この事業に、わずか3ヶ月ちょっと(仕様書によると、2012年度予算事業で2013年3月まで)で1930万円が使われるのである。自治体のこのようなコンペは、公募の告知が秋で、決定が年末。取りかかりが年末年始で3月までに終了、というパターンが多い。どうしてもっと早く取りかかって、時間を掛けた長期戦略に基づいた実行ができないものなのだろうか、いつも疑問に思う。
この岡山市の案件にしても、終了を2013年3月ではなく、2014年3月で設定することができていれば、もっと別な展開になっていたはずだ。首長は4年間をひとつの単位での自治体運営を考えて欲しい。大きな公共事業は何年もにもわたって予算措置をするのに、形の無い知財や地域ブランド、コミュニティの活性化に対しての予算措置が戦略的に行われることは極めて希であることは嘆かわしい。

さて、3月までの事業(といっても実際には来年度もなんらかの形でサイトは存続し、事業としても「話題になったから」という後押しも手伝って予算は付くのだろう)でどんな結果が期待されてるのだろうか。別にゆるキャラを作る必要は無いが、熊本県のクマもんの取り組みのような、官民一体となった活動に繋がることを期待したい。

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