「すみれ」と共に日本人は絶滅危惧種登録か?
「踊る大走査線」は15年だという。
青島刑事と共にずっと登場しているすみれさんを見ながら、ふと思った。そういえば、最近現実世界では「すみれ」さんという名前をとんと聞かなくなったな、と。
名刺交換をする女性の名刺でも、花の名前を見ることはほとんどない。ごくまれに「百合」を見るくらいだ。
小池百合子さんは別格としても、若手ゴルファーの上田桃子さんや横峰さくらさんは珍しいくらい。
かつては、子どもに名前を付けるときに、身近な自然への畏怖や尊厳、憧れ、特別な想いを背景に名前を付けることが多かったことから、花の名前の女性も多かったようだ。
・さくら ・桃
・すみれ ・菊
・百合 ・蓮華
・かすみ ・松
・竹 ・花
・葉 ・菜
などが、よく名前に入っていた。
話を元に戻そう。
「すみれ」という名前もそうだが、現実にはすみれの花も見ることが無くなった。
僕が子どもの頃は道ばたに「すみれ」は普通に咲いていた。
しかし、都会で道ばたにすみれの花が可憐に咲いている、なんていうことはなく、花屋で売っているような花でもない。ひょっとしたら子ども達はおろか、今子供を産んでいる世代でさえ、すみれを見たことがないのかもしれない。
これでは、名前に「すみれ」など花の名前を付けることは考えも及ばないだろう。
自然の花を目にすることがなければ興味は及ばないだろうし、和歌を詠むことも俳句を詠むこともなければ、季語としての花の名前もわからないだろう。地球温暖化の影響で、近い将来にサンマの旬は秋ではなく冬になるかもしれないと言っていたのと同様に、日本の野草も多くはいずれ目にすることはなくなるのかもしれない。
竹島や尖閣諸島の領有権について政治的・経済的な思惑で主張を繰り返しているが、それ以前に日本人が守るべき事が足下にたくさんあるような気がしてならない。
誤解を恐れずに言えば、これから人口が減り続けシュリンクする暗い未来しか描けない政府は、明るく明確な未来像を示せないことに、領土問題を隠れ蓑にしないで欲しい。少なくとも、竹島も尖閣も、一時的にそこに住んだ人はいても故郷とする人はいない島。そんな島は、瀬戸内にも日本近海にもたくさん存在する。日本本土の自然と周辺海域の自然と安全をしっかり確保して欲しいし、その延長で領土問題を議論して欲しい。
今の各国の領有権の主張の仕方は、バーゲンのワゴンセールで同じ商品をつかんで「私が先よ!」と叫びののしりあっているおばさんみたいにしか見えない。
日本であること、日本人であることの尊厳と証、未来への光を得るための営みとは。
ブータンの国民の幸せは、国土の広さや資源の豊かさによるものなのか?そうではないだろう。
スイス・オーストリアが永世中立国を宣言し、それを維持するために負った覚悟と負担。それを日本人はきちんと理解しているだろうか。憲法第9条を言い訳に現実から目をそらしているだけではないのか?
今の日本で、誇ること、守るべき事、捨てても良いことを国民のコンセンサスとしてまとめなければ、不毛な時間だけが過ぎていく。
政治も経済も、強力なリーダー、未来への道筋を示す人間がいない今、誰が日本を、日本人を導くのか?
イギリスにおける王室と同様に、日本人にとっても天皇家の存在はやはり大きい。精神的な支えとしての天皇陛下にまで、ご登場を期待しなければならないのだろうか?
そうだとすれば、全ての政治家は大いに反省をして、ステージから一旦降りていただきたいものだ。
すみれの花と共に、日本人は絶滅の道を進むのだろうか?
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コメント
幸いにうちの周辺では、春のつくしとともにそこら中にすみれが咲きます。アスファルトの隙間にさえ。これ以上、環境が悪くならなければいいですけどね。
投稿: とら猫 | 2012.09.16 08:10