僕の心の故郷がまた一つ消えるのか。Tony's Bar閉店
新橋駅でお開き。
久しぶりにTony'sBarに寄ってベティさんの顔を見て帰ろうと行ってみた。
すると、入り口に12月28日で閉店しますと張り紙が。店の中に入ると、ベティさんの姿はなく、若いお弟子さんが一人。
ベティさんも高齢で店に立てなくなったので、店を閉めることにしたそうだ。
Tony's Barは、僕が就職で東京に出たときに、いつかはあそこで飲むんだ!と目標にしていたお店。初めて上司に連れられて行った時には、カウンターの一番端で飲んだ。
それからは、会社が早く終わったら、最初の客としてTonyさんの前の席に一人座り、ドライマティーニをまず注文。それからいろいろなお酒を頼むが、なかなか思うように飲ませてもらえなかった。
マティーニを「もっとドライに」とお願いすると、これ以上ドライにすると、「それはマティーニとは言えない」。高そうなモルトを頼むと、「お客さんにはまだ早い」と。
ある時には、「焼き肉食べてきましたね」と言われたこともあった。
純粋にお酒を味わうBarという空間にふさわしい飲み方、立ち居振る舞いを要求されていた。そして、僕の財布の具合も見抜きながら。
Tonyさんに認めて貰える酒飲みになろうと、日々修行した。
長男が生まれた夜も、一人カウンターに座り、誕生の報告をしながらグラスを傾けたこともあった(妻と長男はもちろん産院に入院していたので)。
そして、通い始めて12年、仕事の一区切りのパーティがあり、その後に一人寄って、あるモルトウイスキーをお願いした。すると、すっとグラスが目の前に置かれた。
やっとTonyさんに認めて貰えた。
その思いが強すぎたのか、その夜は良い加減に酔って店を出て………
新橋駅の公衆電話で電話をしている間に、財布をすられるという失態をおかした。
まだまだ修行が足りない、といわれたような夜でもあった。
そんな思い出がいっぱいあるTony's Barが無くなる。
これまで、写真を撮らせて欲しいと思っても言えなかったけれど、今日は撮らせてもらった。
無くなる前に、息子を絶対に連れて行こうと誓った夜。
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