再び「フリー」ジャーナリストに対する自己責任論。歴史は繰り返される
3年も拘束されていた「フリー」のジャーナリスト、安田淳平さんが解放され、無事に帰国した。
このニュースで、再び「フリー」ジャーナリストの自己責任論がネットで見られるようになった。
4年前、湯川遙菜氏、後藤健二氏がISに拘束され、身代金を要求された。その時にも自己責任論が沸騰した。しかし、2人は殺害され、生きて日本に戻ることは叶わなかった。死後、後藤氏には日本外国特派員協会はじめ、様々な団体から賞が贈られた。
今回、安田さんは生きて帰ってこられたので喜ぶべきことなのに、まるで太平洋戦中、捕虜となった兵に対し「生き恥を晒すくらいなら死んでこい」と言っていたのに重なってしまう。
日本のテレビや新聞社などの大手報道機関は、紛争地に社員を送ることはしない。2012年、シリアで亡くなった山本美香さんは、独立系通信社ジャパンプレスに所属していたが、実質はフリーのジャーナリスト。代表の佐藤氏とチームで活動していたといった方が良いのだろう。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロの際も、新聞社やテレビ局に勤める友人は現地に飛んで現場の様子を取材・レポートしたいと進言しても、ことごとく却下されたと言っていた。僕が自費で現地を見に行くと決めた時に、彼らからうらやましがられた。と言うことを思いだしていたら、そういえば後藤さんが殺害された時にも同じ事を思いだしてここに書いていた。
報道番組は、「ダイハード」の「ソーンバーグ」になっていないか?
3年前、「自己責任論」が盛り上がった時には、こんな記事があった。
ロンドン在住のジャーナリスト、木村正人氏の文。そして今回もやはり
という記事をアップされていた。
まさに、歴史は繰り返される、のだ。
真実を伝えることに人生をかけたジャーナリストに「自己責任」を問える人はどのくらい居るのだろうか?「自己責任」を口にする人間に限って、中東の国々の名前も位置関係もろくに知らず、そして自分は安全で保守的な組織に属しているに違いない。
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