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2015.02.09

憲法に明文化されていない「報道の自由」とマスメディアに向かうスタンス

外務省は7日、シリア渡航を計画していたフリーカメラマンの杉本氏に対し、旅券法に基づいて返納を命じパスポートを「取り上げた」。
朝日新聞によると、同省が名義人の生命保護を理由に旅券の返納命令を出すのは初めて。旅券法19条は、「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」は、外相などが名義人に旅券の返納を命令できると規定。同省は同法に基づいて「緊急に旅券を返納させる必要があると判断」したとしている。

この報道を受けて、さまざまな反応が見られる。
湯川さん・後藤さんがあのような事になった後でわざわざ出かけていくのは常軌を逸している。自己責任とは言っても、周囲や国への迷惑を考えればいたしかたない。
そういう意見がある一方で、報道の自由・知る権利は憲法で保証されているので犯してはならないという主張もある。特に、ジャーナリストの間からは今回の外務省の対応に対しては問題視する意見が多い。そして
山本美香記念財団主催シンポジウム「なぜジャーナリストは戦場へ向かうのか」 が開催されるに至った。
これを受け、ハフィントンポストでも
なぜジャーナリストは戦場へ向かうのか「安倍政権の対応より論ずべきことがある」シンポジウム開催へ

という記事がアップされた。

戦場カメラマンと言えば、身近な所では渡部陽一氏、や「不肖・宮嶋」でおなじみの宮嶋茂樹氏等がいる。僕たちの世代だと、巨匠ロバート・キャパ、日本人でピュリッツァー賞を受賞した沢田教一氏が思い出されるが、2人とも戦場で亡くなっている。

どうして危険を冒してまでもジャーナリストが戦場や紛争地に行こうとするのか、行かなければならないのかは上記シンポジウムやハフィントンポストの記事で考えて貰えれば良いと思うのでそちらに譲るとして、それよりも根本的な問題がある。
実は、日本国憲法には「報道の自由」という文言が無い事だ。報道の自由に関わる条文は、

日本国憲法 第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

「言論、出版その他一切の表現の自由」と「報道の自由」は微妙に違う。報道とは、一言で言えば知りたい事・報せるべき事を取材し、報せること。憲法で保証されているのは「表現の自由」であり、報道行為を保証していない。昔から「ペンは剣よりも強し」というが、ジャーナリズムは権力の監視機構であり、権力者にとっては目の上のたんこぶでもある。司法・行政・立法の3権を監視する第4の権力と言われることもあり、時の権力と対峙することも珍しくない。日本国憲法で「報道の自由」という文言が入れらななかったのは、そういう報道の監視を制限する為だったという話しも聞いたことがある。
報道を規制しようとする法案はこれまでもたくさん議論され、個人情報保護法や特定秘密保護法などが実際に施行されてしまった。自衛隊法や集団的自衛権の憲法9条解釈と同様、21条についてもどこまで拡大解釈(限定解釈)されるのかが問題になってくる。

一方、その(テレビなどの)報道を受け止める生活者も、単なる群衆に堕してしまっている。報道されるその事件や事象の本質に対して正面から向き合おうとせず、報じられる表面だけをなぞって話題にして終わる。
一つ一つの事件や事故には、その時の報道では触れられることのないそれぞれの人生や背景が存在する。大阪で起きた児童置き去り死事件や、騒音おばさんの事件などは、逮捕されるとその後をテレビや新聞で続報を伝えることはほとんどないが、ルポライターや週刊誌がその後も取材を続け、限られた紙の媒体で報じることがある。それを読むと、テレビでステレオタイプに報じられていた景色とは全く違う物が見えてくる。しかし、その時にはもう世間はその事故や事件は記憶の奥底にも残っていないことが多い。かくいう僕自身も、年のせいなのか偉そうなことは言えないが。

先週、報道番組は、「ダイハード」の「ソーンバーグ」になっていないか?をここでポストしたが、「報道」に対して今一度受け手である生活者も意識し、表面的な興味ではなく、知るべき事・事件の深層についてまで知ろうとする姿勢が必用な時ではないだろうか。その意思表示に現代の既存マスメディアが応えられないのであれば、ネットメディアへ移行するのはもう止めようはなくなるだろう。

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