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2013.03.24

CO2問題を忘れていないか?

2011年の福島第一原発事故以来、日本ではすっかりCO2問題が語られなくなった。
地球温暖化が、異常気象や海面上昇などを進めると、全世界でCO2排出の削減に向けて議論され、行動計画が策定され実行されている。しかし、日本では原発の停止に伴う火力発電への依存度が高まり、CO2排出削減には目をつぶらざるを得なくなった。同時に、原発停止に伴う発電量減少のために、あらゆる産業から家庭にまで節電が呼びかけられたために電力使用量が大幅に減り、原油価格の高騰やクルマの燃費改善も相まって化石燃料消費量も抑えられ、CO2排出量はそれほど増えてはいないようだ。

一方、反原発の声は大きく、容易に原発を再稼働できるムードではない。しかし、現在休止中の原発は発電はしていないといってもメンテナンスは続けなければならず、3月24日の朝日新聞の記事によれば、今年度電力9社合計で1兆2000億円かかるという。
現在の電力料金の決め方では、この維持費も発電コストとして組み入れられる。化石燃料の使用量の増加に加えて原発維持費が発電コストとして上乗せされるから、当然のごとく電気料金は高くなる。だからといって原発の維持コストを上乗せするなと言えば、原発の維持・メンテナンスは疎かとなり、新たな原発事故を引き起こすことさえありえる。人が住まなくなった家は、あっという間に朽ちていくのと同じ。最悪のケースでは放火されて、周りにまで迷惑をかけてしまう。

脱原発には賛成だが、反原発は感情論でしかないと思っている。危険だから、わからないから触ってはいけないのであれば、科学の進歩も発展も無い。様々な病気・感染症も、触ったら感染する、自分の身も危ないから触っちゃいけないと思うのであれば、医者という存在も無い。
原子力という既に存在する物に感情的に排除を叫ぶのでは無く、新種の伝染病が発生したらワクチン開発をするように、立ち向かう勇気と行動も必要だ。それをコントロールし、いつかは放射線でさえ無害化する、あるいは放射線障害を治療する技術を確立する力が人間にはあると信じている。

ダイナマイトは、発明したノーベルが平和利用を望んでも、現実には武器にも利用されてしまう。原子物理学も、平和利用だけでなく兵器にも利用されてしまっている。発電、船舶の動力源、爆弾……しかし、福島第一原発の事故で、物理的に建屋を破壊したのは、原子炉の爆発ではなく発生した水素の爆発であることも忘れてはならない。電源の喪失、水素の放出失敗などは、厳密に言えば原子炉そのものの事故ではなく、事故に至る原因であり問題点の一つだ。

中国のPM2.5でもそうだが、実はCO2排出量の削減は、全地球規模で、総力戦で当たらなければならない問題。治安が悪くなった町で、どうやって平和を取り戻すか、あるいはゴミだらけになった町や生活環境をみんなで綺麗にしようと言うような問題。
一方、原発は設計と建設技術、運用・メンテナンスの精度の個別の問題。宙に浮くはずが無い鉄の塊を飛ばしている、飛行機のような物だ。いわば、プロフェッショナルの領域。そこに素人が感情論だけで口を出すべきではない。
CO2排出削減を進め、住みよい地球環境を維持、改善することを考え協力する。その中で原子力をどう生かすかを考えていけば良い。再稼働ありきでもなく、無条件で原発全廃でもなく。

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